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羽生三冠の通算勝率vs.V9時代の巨人の勝率

羽生三冠はいつも勝っているようなイメージがある。プロ野球で常勝球団と言われるようなチームもいつも勝っているようなイメージがある。負けるのはときどき。実際はどんなものかと思って調べてみた。

将棋連盟「記録のページ」によると、羽生三冠の通算勝率は2007年5月13日時点で0.7282(7割2分8厘2毛)。7割強。
プロ野球データライブラリー球団別成績ページによると、
川上哲治監督時代9年連続優勝した期間(1965-1973)の巨人の勝率は、1192試合中703勝で0.5898(5割8分9厘8毛)(小数点第5桁四捨五入)。6割弱。

思ったより差があった。今考え付いた要素は、野球はチームの戦力均衡という政策があること(この時代、ドラフトってどうなっていたのだろう)、他球団がエースをぶつけてくること、将棋はトーナメント戦もあること。

チーム成績ではなくて個人成績ではどうだろうと見てみると、

通算勝率(2000 投球回以上) 順位 投手名(所属) 勝-敗 勝率
1 藤本 英雄(巨人) 200-87 .697
2 稲尾 和久(西鉄)  276-137 .668
3 斎藤 雅樹(巨人) 180-96 .652
4 杉浦  忠(南海) 187-106 .638
5 杉下  茂(大毎) 215-123 .636
6 別所 毅彦(巨人)  310-178 .635
7 スタルヒン(トンボ) 303-176 .633
8 山田 久志(阪急) 284-166 .631
9 野口 二郎(阪急) 237-139 .630
10 工藤 公康(巨人) 215-129 .625

http://gararoom.hp.infoseek.co.jp/tsuusan-p.html

個人だと大投手は7割近くの勝率。

球団別成績のページに戻って、「○○が独走で優勝」という印象のある年を眺めると、そのチームの勝率は大体6割超えているくらい。
ということは、勝率6割前後で「強い」「まあ、大体は勝つ」、勝率7割前後で「ほとんど負けない」「めったにでてこない偉大な人」という印象が生まれるのだろう。


追加。相撲で強い力士は、全勝に近い成績が残せなくなると引退するため、もっと通算勝率が高いのではないかと思って探してみた。

関取勝率1位 大鵬 幸喜 83.2%
2位 双葉山 定次 78.1%
3位 羽黒山 政司 77.5%
4位 北の湖 敏満 75.2%
5位 貴乃花 光司 75.0%
6位 照國 万藏 74.2%
7位 輪島 大士 73.8%
8位 太郎 73.7%
9位 武蔵丸 光洋 72.5%
10位 千代の富士 貢 71.5%

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野球や将棋よりは高いが、あの千代の富士で.715だから、7割偉大説の範囲内だ。横綱時代だけとればもっとはねあがりそうだが。


上のページを探している途中で、こんなものも見つけた。本場所千秋楽における7勝7敗力士の成績。

アメリカでインチキや不正行為を数量化する方法を研究しているSteven D. Levitt 氏が分析した論文より】
7勝7敗の力士の8勝6敗の力士に対する期待勝率48.7
7勝7敗の力士の8勝6敗の力士に対する実際の勝率79.6

7勝7敗の力士の9勝5敗の力士に対する期待勝率47.2
7勝7敗の力士の9勝5敗の力士に対する実際の勝率73.4

Cool Back Number 2007

そういえば昔昔は将棋界でも、順位戦最終日に降級がかかった棋士に対して昇級降級無関係の棋士が無理やり粘ったりするのはスマートでないという風潮があったようです。今は、降級すまいと必死に対局してくる棋士に対してこちらも全力でたたかうことこそ礼儀だし力もつく、という風潮で、観戦しているファンからしてもそれは望ましいことだと思います。